Aqua Timez『二重螺旋のまさゆめ』アルバム解説――過去・未来・現在が織りなす、たかが100年の夢

Aqua Timez

2018年4月、Aqua Timezがリリースした8枚目のオリジナルアルバム『二重螺旋のまさゆめ』。
Aqua Timezの、最後のオリジナルアルバムです。

このアルバムからは、他の作品とは違う「力」を感じます。
なんというか――
「聴け!俺たちの歌を!」
そんな叫びが、魂の奥から響いてくる、そんな気がするんです。

実際、このアルバムを最後に、Aqua Timezは解散しました。
聴き終えたあとに「解散するかもしれない」と感じた人もいたそうです。
もしかしたら、その人たちは、あふれ出す想いを受け取っていたのかもしれませんね。

『二重螺旋のまさゆめ』というタイトルに込められた想い

このアルバムの『二重螺旋のまさゆめ』ってタイトル、私、すごく好きなんです。
儚いけど、重くて。淡いけど、深くて。表裏一体のような、不思議な言葉ですよね。

過去と未来、出会いと別れ、喜びと苦しみ、夢と現実――
そういった相反するものたちが、螺旋を描きながら混じり合っている。
まるで、人生そのもの、そんなイメージです。

また、このアルバムのジャケットには、砂時計が描かれています。
砂時計が測ることのできる時間には、当然ながら“終わり”がある。

だから私は、このアルバムから、こう語りかけられているように感じるんです。

人生とは、限られた時間の中で、たくさんの相反するものが織りなす夢のようなもの――

『二重螺旋のまさゆめ』このアルバムで特に心に残った曲3選

over and over

本っ当にいい曲です。
実際にボーカルの太志さんが「このアルバムで伝えたかったことはこの曲に詰まっている」
とおっしゃっていましたが、本当に歌詞がいい。

「理論武装をした心では 人の心を抱きしめられない 
 幸せそれは 大事な人と 泣いたり笑ったりできることの別名」
——「over and over」(Aqua Timez)

なんだこの歌詞は・・・
本当にいい曲。(2回目)

結局、大事なことって理屈じゃないですもんね。
思い悩んで、立ち止まりそうになった時に力をくれる、大好きな曲です。

+1

ライブでめっちゃ盛り上がりそうな曲!
歌詞の内容は「メンバー紹介」なんですけど、

「そう6人目 君が6人目」
——「+1」(Aqua Timez)

あなたもAqua Timezの一員なんだよ」って言ってくれているのが本当にいいですよね。
最後のアルバムでそう言ってくれているのが、「これからもずっと一員なんだよ
っていう想いまで込められている気がして、本当に染みますよね。

後、途中で「俺TASSHI」って合いの手が入ってるの、すごく好きです。

last dance

「鍵盤の音みたいに 僕らこぼれ落ちたんだぜ」
——「last dance」(Aqua Timez)

すごい表現ですよね。
曲全体を通して、本当に「美しい」歌詞だなって思います。

「ファンとの別れ」をこんな美しい歌詞で、魂を込めて歌っているから、
この曲は心に響くんじゃないでしょうか?

再結成して、「また出会える日が来た」それが本当にうれしいです。
当たり前ではない、その奇跡、大切にしていきたいですね。

最後に

何事にも必ず「始まり」があれば「終わり」がある。
人生は、「永遠」がないからこそ美しく、切ない。

『二重螺旋のまさゆめ』には、そんな「心からの想い」がこもっている気がします。