1.基本情報
・公開年:1964年
・登場怪獣:ゴジラ(2代目)・モスラ成虫(初代)・モスラ幼虫(2代目)×2
・上映時間:89分
2.あらすじ
台風の影響によってモスラの卵が静岡県の漁村に流れ着いた。卵を観光の目玉にしようと企むハッピー興行社の熊山と興行界の影の実力者虎畑。モスラの卵を返して欲しいと要求する小美人に対し、熊山と虎畑は要求を拒否し、小美人を興行に利用するため、捕らえようとする。一方、伊勢湾の干拓地からゴジラが出現。モスラの卵を目指して町を破壊しながら進撃を開始した。そこへゴジラから卵と日本を守るため、モスラ成虫がインファント島から飛来した!
3.解説
ゴジラシリーズ第4作目。そして、モスラ(1961年)の続編にあたります。今作の魅力はなんといっても正義のモスラ対悪のゴジラ、という非常にわかりやすいストーリーです。卵と日本をゴジラからモスラが守る!親モスラの仇を子モスラが討つ!という感じですね。
ゴジラの顔も悪役チックな造形になっていて、仕草もふてぶてしく、まさに「悪いゴジラ」。それが正義のモスラとの対比になっていて、そこがまたいいんですよね!!成虫モスラの攻撃を受けながらも執拗に卵を狙ったり、島の小学校の子どもを襲ったり・・・しっかりと「悪役」としてゴジラが描かれているので、ラストで双子の幼虫がゴジラを撃退するシーンがスカッとするのではないでしょうか?
でも、ただ単に悪いだけでなく、テレビ塔に尻尾を引っかけてこけそうになったり、自衛隊の電撃攻撃でめちゃくちゃ痛がったり、幼虫に糸でぐるぐる巻きにされた時、やけくそで熱線を乱射したり・・・ちょっとコミカルなのも今作のゴジラが人気な理由の一つだと思います。
人間パートはハッピー興行社の熊山と興行界の影の実力者虎畑が小美人を利用しようとする等、しっかりと悪者として描かれており、めちゃくちゃいい味を出しています。終始金儲けに走る熊山と虎畑と「人の気持ち」を大切にする主人公の記者達。最終的に仲間割れで熊山は虎畑に射殺され、虎畑はゴジラに殺される。こちらも善と悪がはっきりしていて、痛快で面白いです。
4.総評
非常に完成度が高く、面白い作品。
この作品以降、昭和シリーズは徐々にゴジラが正義の味方として描かれるようになっていくので、しっかりと「悪役」の昭和ゴジラが見たい方にはおすすめの作品です。しかしホントにモスゴジのデザインはいいよなあ。
5.おまけ
今作では「モスラの卵の値段」が登場します。熊山によると、「卵の卸売価格が8円」「卵は15万3820個分」なので8×15万3820個で「122万4560円」とのこと。
しかし、8×153,820は123万560円なのです。この差額の6000円はいったいなんなのでしょうか?諸経費?たしかに領収書は発行していたしなあ・・・時代が時代(家庭用の電卓はまだないはず)なので熊山のそろばんの打ち間違い?