(歴代ゴジラ映画レビュー)タイトルからハブられたアンギラス「ゴジラの逆襲」

ゴジラ

1.基本情報

・公開年:1955年
・登場怪獣:ゴジラ(2代目)・アンギラス(初代)
・上映時間:82分

2.あらすじ

「あのゴジラが最後の1匹とは思えない・・・」山根博士の言葉通り、新たなゴジラが出現する。
さらに、未知の怪獣まで現れたのだ!2匹の怪獣を目撃したパイロットの証言から、動物学者の
田所博士は未知の怪獣を「アンギラス」であると断定する。そして、2匹の怪獣は大阪に上陸。
大阪城を舞台とした2匹の怪獣の勝負の行方はいかに!?

3.感想

ゴジラシリーズ第2作目、そしてゴジラ対○○という怪獣対決物の第1作目である。
この映画、なんと前作「ゴジラ」が公開されてから5ヶ月後という驚異的なスピードで
制作された。「反核」「反戦争」といったメッセージ性は影を潜めており、
人間パートではコミカルなシーンも増える等、前作からガラリと雰囲気が変わった印象だった。

ゴジラ対アンギラスのシーンも今見るとさすがに違和感があるシーンが見受けられるが、
見せ方の工夫が非常に感じられ、特撮好きなら見ていて非常に楽しいと思う。

しかし、この映画1つ重要な欠点があるのだ。
それは「暗い」ということだ。

何が?「画面が」である。

白黒映画がだから仕方がないのだが、それにしたって暗い。
夜のシーンが多いので、何が起こっているかわからないシーンが多いのだ。
まあ実際にゴジラが現れたら停電が起きるだろうし、あんな見え方になるのかなあ・・・?

4.かわいそうなアンギラス

さて、この映画で語らなければならない点はもう一つある。

アンギラス」だ。

ゴジラと一番始めに戦った怪獣なのに、扱いがすこぶる悪いアンギラス。
せめてこの映画のタイトルが「ゴジラの逆襲 ゴジラ対アンギラス」だったら彼の運命は大きく変わったのではないだろうか?なんせ1度も映画のタイトルに出たことがないのだから・・・バラゴンすら出たのに

なぜここまで言うのかというと、このアンギラス、なんと映画の中盤で退場してしまうのだ。
しかもやられ方がゴジラに喉笛を噛みちぎられて、燃やされるというもの。
おまけに、原作小説では白熱光(現在の熱線のこと)を吐けたのに没収されている。

アンギラスが何をしたって言うんだ!!!!

5.まとめ

前作「ゴジラ」と次作「キングコング対ゴジラ」が人気が高く、なんとも影が薄いこの作品。
しかし、特撮好きならば見て損はない作品である。人間パートでは戦争から立ち直っていく
時代のパワーが、特撮パートでは怪獣バトルの試行錯誤が感じられ、見どころはたくさんある。
見たことのない人は是非見ていただきたい。