基本情報
・公開年:1962年
・登場怪獣:ゴジラ(2代目)・キングコング
・上映時間:97分
あらすじ
TV番組「世界脅威シリーズ」の視聴率アップを狙うパシフィック製薬の多湖宣伝部長。
そんな彼のもとに、南海の島・ファロ島で「巨大なる魔神」が目覚めたという情報が入る。
宣伝に使えると踏んだ多湖は、社員の桜井と古江をファロ島へ向かわせる。
そこで2人が出会ったのは、“キングコング”だった!
彼らはコングを自社の宣伝に利用するため、日本へ輸送しようと試みるが、
輸送中にコングが目を覚まし暴れ出してしまう。
一方その頃、ゴジラも眠りから目覚めて日本に上陸。
そして遂に相まみえるゴジラとキングコング。
今ここに2大怪獣の戦いの火蓋が切って落とされた!
感想
本作は、シリーズ第3作にして初のカラー作品。
そして何より、「ゴジラ」vs「キングコング」という、
日米怪獣スターの夢の共演が最大の見どころです。
怪獣バトルはもちろん、人間ドラマもコメディ色が強く、
今見ても“楽しく観られる”作品に仕上がっています。
特に印象的なのが、やはり多湖宣伝部長のキャラクター。
「宣伝にやりすぎはない」「宣伝に“もういい”はない」をモットーするモーレツ宣伝マン。
なんとキングコングを自社CMキャラクターにするため密輸する
という暴挙に出ます。
案の定大失敗し、コングだけでなくゴジラまで日本に呼び寄せてしまう始末。
間違いなく人類の戦犯レベルの愚行なんですが、
劇中終盤もゴジラと戦うキングコングを一生懸命応援する等、
なぜか彼の言動には憎めないユーモアがあって、
ラストまで「なにやってんのこの人……(笑)」と見守りたくなります。
バトルシーンには、当時流行していたプロレスの要素も取り入れられており、
怪獣たちのぶつかり合いもエンタメ感たっぷり。
現代のリアル指向とは違う方向で楽しませてくれる、楽しい作品です。
実は「自衛隊」初登場!
実はこの作品、ゴジラシリーズで初めて「自衛隊」という名称が使われた作品でもあります。
それまでは「防衛隊」など、より抽象的な名前で登場していました。
娯楽映画の中に、当時の社会情勢や表現の変化が反映されているのも、
ゴジラシリーズの面白いところですね。
まとめ
勢い重視・笑いもあり・夢の対決という、ある意味とても“贅沢”な作品。
シリアスなゴジラを期待するとちょっと拍子抜けするかもしれませんが、
これはこれで唯一無二の面白さがあります。
「ゴジラシリーズってどこから観よう?」という方にも、
“入口”としてオススメできる1本です!