このアルバムのタイトルには、
『誰かわかんないけど、あんたの言うことなんかわかるよ』
——そんな想いが込められているそうです。
「ナスカの地上絵」って、近くで見ても何が描かれているのか全然わからないけれど、
空から引いて見れば、ちゃんと一つの絵になっている。
人間も、それと同じなのかもしれません。
近づけば近づくほど違いばかりが目についてしまうけれど、
少し距離をとって見てみたら、案外、似てるところもあるのかもしれない。
だから、分かり合えない瞬間はあるし、ぶつかることもある。
でもそれでもやっぱり、「それでも繋がりたい」と願ってしまうのが、人間で。
そんな“葛藤ごと”優しく抱きとめてくれるのが、
このアルバムなんじゃないかなと思っています。
『ダレカの地上絵』このアルバムで特に心に残った曲3選
世界で一番小さな海よ
タイトルからして、とても好きな曲です。
小さい頃のありのままの悲しみ、辛さを歌っていて、
特に印象に残ったのは、この部分。
「隠された上履き 見つかったって 悲しみは終わらないから 探さなかった」
「心が軋む音 説明したってどうせ伝わらないから 話さなかった」
ただ、“どうしようもなかった”から下を向いていたあの頃の記憶そのもの。
辛いけど、誰にも言えなかった。
しんどいけど言ったところで、誰にもわかってもらえないに決まっているから。
“どうしようもなさ”を抱えていた、あの頃の自分に向けて歌ってくれている気がします。
この曲を聴くと、ほんの少しだけ、心がほどけるような気がします。
小さな掌
Aqua Timezの中でもトップクラスに好きな曲です。
もう正直、全部の歌詞が好きなんですけど…
私が特に好きなのはこの部分です。
「後ろばかり見てたら明日が悲しむから
人は前に進むしかないんだよ」
——「小さな掌」(Aqua Timez)
誰にだって、手放せない理想や、忘れることのできない後悔があると思います。
「もっとできたかもしれない」「あのとき、ああすればよかった」
――そんな叶うはずのない“もしも”にとらわれて、立ち止まってしまうこともある。
でも、後ろを振り返ってばかりじゃ、大切な“明日”を見ることができない。
だから、大切な人のためにも前に進むしかない。
誰にだってある、立ち止まってしまう弱さ。
でも、“大切な人”がいるからこそ、人は強くいることが出来る。
そんな、当たり前すぎて忘れてしまいがちなことを、この曲は改めて教えてくれます。
この曲を聴くと、目の前の日常というのは、けして当たり前ではないと改めて気づかされます。
大切なものは、失ってしまってからでは遅いから。
「ありがとう」の言葉は、これからもちゃんと伝えていきたいですね。
ALONES
「もう誰かのためじゃなくて 自分のために笑っていいよ」
——「ALONES」(Aqua Timez)
いやーいい歌詞ですね!(毎回言ってるなあ笑)
この曲は昔から知っていた曲です。
昔は歌詞というよりは、メロディが好きでした。
今は、歌詞を含めてより好きになった曲です。
どんなに人に囲まれていても、心がひとりぼっちになることってある。
まわりに気を使いすぎて、本当の自分の気持ちを置き去りにしてしまったり。
そうやって“誰かのための自分”ばかり生きていた人にとって、すごく響く曲だと思うんです。
人生、辛いことやしんどいことはたしかにある。
でも、そればっかりじゃない。 全部受け止めなくていい。
たまには、自分勝手でもいいんじゃない?
そんな前向きを歌ってくれていると思っています。
まとめ
聴き終わったあと、思い出が湧き上がってくる。
目の前にいる人を、もう少し大切にしたくなる。
『ダレカの地上絵』は、そんなふうに日常の見え方を少しだけ優しく変えてくれる、
そんなアルバムだと思います。